ナメクジに注意!
報道に触れてもうご存知の方も多いと思いますが、
海外でナメクジを食べて亡くなった方がいます。
2018年11月6日付のCNNニュースです。
原因は、ナメクジの中に寄生していた
「線虫」です。
「線虫」はミミズのような形をした寄生虫です。
もちろん大きさはミミズよりずっと小さいものです。
今回、このナメクジに寄生していたのは
「広東住血線虫」
という種類です。
中国の広東省でネズミの肺動脈から発見されたので、
こう命名されました。
「広東」だから日本にはいないんじゃないの、と言うとそうではありません。
南米とヨーロッパ以外、ほぼ世界中に広く
分布しています。
そもそも、国境というのは人間が地理的な、
あるいは地政学的な理由で勝手にひいたものです。
病原体は何の躊躇もなく越えて行きます。
さてこの「広東住血線虫」、日本国内でも
全国的に発生が見られます。
ここ沖縄県でも2000年6月、
米軍施設内の女児が亡くなりました。
このとき感染源となったのはアフリカマイマイです。
沖縄では、ごく普通にお目にかかるヤツですね。
(画像:Wikipediaより)
ナメクジやアフリカマイマイを生で食べる人はいないと思いますが、彼らの出す粘液、これが厄介です。
皮膚に直接触れたり、粘液のついた野菜を食べると感染の危険があります。
ですから駆除の際も、素手で触ってはいけません。
サラダ・スムージーなどを作る場合には、
入念に水洗いしましょう。
また野菜は出来るだけ加熱調理する事を心がけます。
ナメクジの割に今日はちょっと硬い話でしたが、
「動物由来感染症」
から人間を守るのも獣医師の仕事です。