南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

北野式マイターン勉強法 ( 3 ) 〜自分だけの副読本を〜

前回、「授業は受けるものではなく攻めるもの」

というお話をしました。

「国語の授業を受けながら、同時に英語のレベルも上げてしまおう」

という例を挙げました。
しかし、では英語の時間はどうするのか?

基本的には、英語の授業をしっかり受けるべきです。
ただ、モチベーションを強く持つことが大事です。

要するに、
「英語がわかると楽しい」
という気持ちになれるかどうかです。

そのためには、
「自分だけの副読本」を準備すべきです。
私の場合は、この本でした。

高校2年生のとき買い求めた洋書です。
さて、何の本でしょう。
はい、ページをめくってみると。

敦煌
井上靖歴史小説です。
古文書のように色あせていますが、肌身離さず持ち運んだためです。
一緒に雨にも濡れました。

私はもともと中国史に興味がありました。
だから確信があったのです。
「中国史に関する物なら、自分は読もうとするだろう」と。

そこで部活の帰り、洋書コーナーに寄ったわけです。
17歳の夏でした。
それからは、この本と共に高校時代を過ごしました。

赤線が引いてあります。
これは、
「学校の授業で出てきた単語や表現」
の箇所です。

1ページあたり10個くらいは出てくるものです。
つまり、学校の授業中に
「あっ、敦煌のあの場面で出てきた表現だ!」
と一人で興奮してしまうわけです。
するとまず、忘れません。

敦煌
を選んだのには理由があります。
自分が好きな分野の話だったから、というのが第一。

次に、文体です。
井上靖という作家は、表現が端的で無駄がありません。一文一文訳すのに適しているのです。
これが司馬遼太郎では、難しいでしょう。

そして、作品の知名度
敦煌」は映画化されるくらい有名な作品です。
だから英訳版が出版されたわけです。
「ここ、どう訳すのかなぁ」
となっても心配ありません。
何せ、この洋書には日本語の原作があるのですから。

高校3年生になると、敦煌はすっかり読んでしまいました。
そこでヘミングウェイに移ります。
武器よさらば

こちらも勉強法は同じです。

私は歴史小説や文学作品を選びましたが、自分で選ぶ副読本は何であっても構いません。

自分の好きな分野であれば良いのです。
映画の雑誌でも、ファッションの本でも。
続けばそれでいいのです。

ただ、あまりにマニアックだと出てくる言葉に汎用性がありません。
それに過度に文学的で抽象度の高いものは避けるべきでしょうね。
「好きな物の中で、何を読むか」
それを選ぶことも勉強です。

とにかく、自分で教材を作ってしまう。
こと英語に関しては、私の場合これが非常に有効でした。

自分で選び、自分で取り組む。
誰かが促してくれるわけではありません。
常に、自分のターン。
それがマイターン勉強法です。