南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

何を見つめているのやら

「耳に何か入ったんじゃないかと思うんです」

診るべき動物は柴犬。
頭を上下に振って、吠え続けているとの事でした。
現場に到着します。

「ははぁ。この子がその」
「はい!朝からずっと!」
「‥‥今は一向に吠えませんね」
「おかしいです、さっきまで吠えてました」
「耳に入った虫が、出て行ったんですかね‥‥」

耳鏡(耳の中を見る道具)を持ってきて
見られる所まで見ましたが、ハッキリしません。

「異常ないようです。繰り返すならまた呼んで下さい」
帰ろうとすると、また声が掛かります。

「やっぱり!玄関に入れると吠えます!」

確かに、首を振りながら吠えます。
よく観察すると、天井に向かって吠えています。

「ネズミか何かいるのでは?」

家でネズミは見たことない、とのこと。
何か新しいものを二階に運び込んだとか、
お客さんが来ているとかでもないそうです。

よくわかりませんが、犬を玄関から出してみます。
するとピタッと鳴きやみます。

何で吠えているのかわかないけれど、
どうも病気ではないようです。

しばらく玄関から離しておこう、
ということになりました。
ともかく鳴きやんだわけですから、
首をひねりながらも現場を後にします。
そのうち何かまた動きがあるかも知れない‥‥。

しかし結局その後、再診の依頼は来ていません。

こういったパターン、つまり原因不明の挙動、
というのにはたまに遭遇します。

「何かにむかって吠えているが、対象物が不明」
「何かを凝視しているが、そこには何もない」

皆でああでもないこうでもないと騒いで、
結局わからずじまい。
いつのまにか人も動物も普段の暮らしに戻る。
それが何であったのか、わからないまま‥‥。

私としても原因を突き止めたいのですが
人様の部屋を家探しするわけにもいかず、
首をひねりながら去るしかありません。


また、ある場所では猫が夜中に突然、
部屋の端から端まで何度も往復したそうです。
老齢で、しかも普段はおとなしい猫だったので
飼い主さんは驚きました。
これは、すぐにおさまったそうです。

翌日そのお話を聞いたあと、
たまたま近くの別の場所で往診があったので
このお話をしました。
すると不思議なことに、そこでも同じ時間帯に
同じことが起こっていました。

しかし真相は未だに謎です。
「動物にだけわかる何か」
がある事は確かなようです。

さて、謎が解ける日は来るでしょうか‥‥。



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