南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

猫の事故と毛色のこと

昨夜、猫の交通事故に対応しました。
事故がおきると、事故にあった猫はもちろんですが
車を運転していた方も傷を負います。

心の傷です。

深くご自身をお責めになる方もいます。
そこで今日は、猫の毛色の話をします。

猫は、捕食動物です。
獲物に見つかってしまってはいけません。
真っ赤な猫がいないのはそのためです。
言ってみれば彼らは、迷彩服を着た動物です。
例えばこの写真。
画面を遠ざけると、猫の姿は景色にまぎれます。

道路脇の草むら、あるいは暗い夜道。
タイミングをはかる彼らの姿は視認しづらいものです。
「飛び出してくる直前の猫の姿に気づかなかった」
それが完全に運転手側の責任だとは言えません。

「真っ白な猫もいるじゃないか」
と言われれば確かにそうなのですが、
白猫は難聴の傾向があることが知られています。

正確に言えば、
「白猫で目が青い」
「白猫で左右の目の色が違う(オッドアイ)」
この場合、難聴の確率が高くなります。
ですから白猫も事故に遭いやすくなります。

法定速度を明らかに超えて走行中に猫と接触した、
ということであれば話は別ですが
ドライバーが深い心の傷と自責の念を抱え続ける、
という実例を私は何度も見てきました。
避けきれないこともある、と率直に思います。

しかし、かと言って猫にも責任は無いでしょう。
人類の文明の進歩はあまりに急でした。
自動車という巨獣への対策を獲得する、という
時間的余裕は彼らに与えられませんでした。

今回事故のあった場所は、
私も往診でよく回る地域です。

猫が庭で子を産み、そのうち何匹かは感染症で死に、
生き残った猫は野良となる、
という飼い方がまだ見られます。

「飼い主さん」の知らない所で何が起こっているのか。

自動車という画期的な乗り物を開発した人間は、
「何が起こってきるのか」
を想像する知性と
「どうすればよいのか」
を考え、行動にうつす能力を持っているはずです。

私に電話をくれた方。
知らぬふりも出来たでしょう。
たくさんお金がかかったらどうしよう、
そんなことも頭をよぎったでしょう。
しかしあなたは車を止め、駆け寄って猫を抱いた。

事故は確かに不幸ですが、
あなたの車のヘッドライトは、
未来を照らしていますよ。



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