南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

タヌキという珍獣

'' 船場山にはタヌキがおってさ
それを猟師が鉄砲で撃ってさ
煮てさ 焼いてさ 食ってさ ''

童謡の「あんたがたどこさ」。

日本人に大変親しみの深い歌です。
タヌキは、我が国では昔からよく知られた動物です。


(Wikipedia)

歌詞の中では猟師が煮たり焼いたりして
タヌキを食べています。

しかし、これは世界的に見れば
「えっっっ???」
となる事案です。

タヌキはもともと極東だけに生息する動物です。
現在は移入されたヨーロッパでも生息域を拡大していますが、世界的には珍しい生き物です。
シンガポールでもパンダ並みの珍獣あつかい。

『タヌキ2頭パンダ並み“珍獣”!?久留米市鳥類センターが寄贈 23日シンガポールへ出発』

https://web.archive.org/web/20130530103942/http://qnet.nishinippon.co.jp/animal/news/2010/03/post_679.shtml

日本人が当たり前のように感じる生き物でも、
海外では珍しがられるという不思議。

とは言え、私も沖縄に来て
同じような経験をしたことがあります。
初めてこの生き物を見たときはビックリしました。


(画像引用:https://www.asahi.com/sp/)

オキナワキノボリトカゲ

本州には生息しないトカゲです。
たまたま訪ねた琉球大学のキャンパスで、
初めて目撃したときは子供の頃のように興奮し
必死になって捕まえようとしたものです。

「内地から来た自分にとっては、珍しいんですよ!」

ところがこのところ、沖縄の人も
キノボリトカゲ、最近見ないな」
と言うようになりました。
開発の影響か、沖縄での生息数は
年々減少しているようです。


「たいして珍しくもない」
と思うような生き物も、
場所と時代が変われば珍獣になってしまいます。

ヒトも生態系の一部だということを
忘れずに生きていきたいものです。


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