タヌキという珍獣
'' 船場山にはタヌキがおってさ
それを猟師が鉄砲で撃ってさ
煮てさ 焼いてさ 食ってさ ''
童謡の「あんたがたどこさ」。
日本人に大変親しみの深い歌です。
タヌキは、我が国では昔からよく知られた動物です。
歌詞の中では猟師が煮たり焼いたりして
タヌキを食べています。
しかし、これは世界的に見れば
「えっっっ???」
となる事案です。
タヌキはもともと極東だけに生息する動物です。
現在は移入されたヨーロッパでも生息域を拡大していますが、世界的には珍しい生き物です。
シンガポールでもパンダ並みの珍獣あつかい。
『タヌキ2頭パンダ並み“珍獣”!?久留米市鳥類センターが寄贈 23日シンガポールへ出発』
日本人が当たり前のように感じる生き物でも、
海外では珍しがられるという不思議。
とは言え、私も沖縄に来て
同じような経験をしたことがあります。
初めてこの生き物を見たときはビックリしました。
(画像引用:https://www.asahi.com/sp/)
本州には生息しないトカゲです。
たまたま訪ねた琉球大学のキャンパスで、
初めて目撃したときは子供の頃のように興奮し
必死になって捕まえようとしたものです。
「内地から来た自分にとっては、珍しいんですよ!」
ところがこのところ、沖縄の人も
「キノボリトカゲ、最近見ないな」
と言うようになりました。
開発の影響か、沖縄での生息数は
年々減少しているようです。
「たいして珍しくもない」
と思うような生き物も、
場所と時代が変われば珍獣になってしまいます。
ヒトも生態系の一部だということを
忘れずに生きていきたいものです。