南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

みんな、同じ夢を見ている

ここに、野良猫がいるとします。
「かわいそう。お腹すかせて‥‥」
と思う人。
「シッシッ、あっちいけ!汚い!」
と思う人。

猫好きの人。
猫嫌いの人。
お互いに、相手を批判します。

しかしよくよく考えてみると、
両者は対立する必要がないのかも知れません。

猫がかわいそうだと思う人は、
「(不幸な)猫が外をうろつかない世の中」
を望みます。

猫は汚い、と思う人は
「(汚い)猫が外をうろつかない世の中」
を望むはずです。

例えば下の写真は私の往診先では珍しくない光景ですが、大抵の人はこれを見て
「まぁ、このままでいいだろう」
とは思わないでしょう。

つまり、
「猫が外をうろつかない世の中」
を願うレベルでは、
両者の思惑は完全に一致しています。
すると、言い争う意味がないことになります。


一般的に、意見の相違が見られたとき、

「問題の抽象度をひとつ上げると、対立意見が共通意見に統合される」

という現象が起きます。

統合された意見の中には当然、
それぞれの主張も組み込まれています。
この場合は
「野良猫を減らす」
ということですね。
目標が同じならケンカする必要がなくなります。

捕獲・不妊化・譲渡という流れさえ作れば、
「猫嫌い」の方々がその活動を拒む理由は基本的にありません。

もちろん、両極端な考え方どうしの場合
妥協点が非常に狭くなることはあります。
しかし実情をお互いが理解することで、
妥協点を広げることができます。

私のようにある種どっちつかずの立場の者が
外野から物知り顔で言うのも恐縮ではありますが、
そんな風に思うことがあります。



ただ、忘れてはいけない視点もあります。

「保護活動に従事する人たちの身を、
動物由来感染症の危険に晒してはならない」

ということです。

破裂した腫瘍が化膿し、異臭を放つ動物。
原因不明の感染症に冒されている動物。
排泄物にまみれた動物。

「こんな子まで救おうとなさるのか」

私自身、衝撃を受けることもあります。

活動に関わる人々が感染症リスクから守られるような支援体制の確立と、その根拠となる法整備が必要な時期に来ているように思います。



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