南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

ペットフードのサルモネラ汚染について

ノースペット社「ササミ姿干し製品」へのサルモネラ属菌混入事件。
昨日お昼のワイドショーでも取り上げられていました。
事件の概要は下記をご覧下さい。

同社のビーフ干し肉製品」からもサルモネラ偽陽性の判定が出ています。
お心当たりのある方はもう一度、ご自宅のペットフードをご確認下さい。



(サルモネラ Wikipedia)



サルモネラについては以前に
「爬虫類は高い割合で保菌していること」
「調理場や食品との交差に気をつけること」

を書きました。



私は数年前、沖縄県の食肉衛生検査所でサルモネラの検査と試験研究に従事していました。
この菌について、少し補足させていただきます。

それは、

サルモネラは乾燥に強い

ということです。
ジャーキーなど水分含量の低い食品でも、サルモネラはしばらく生き残ります。

1999年、全国規模のサルモネラ食中毒事件が起こりましたが、この時の原因食品は「乾燥イカ菓子」でした。
(参考:東京都感染症情報センター » 全国的に患者発生のみられたイカ菓子によるサルモネラ食中毒について)



また、
サルモネラは低温に非常に強い
という性質があります。

当時、私はサルモネラを分離したあとマイナス80度で冷凍保存していました。
しかし温めると、サルモネラは活動を再開します。
保存していた温度は「マイナス80度」ですよ!


ですから、
「乾燥しているから大丈夫だろう」
「冷凍保存してたから大丈夫だろう」
という理屈はサルモネラ相手に通用しません。

このことはよく覚えておきたいものです。


そしてもう一度、当該製品が近くにないか確認して、もし触ってしまった場合は手をよく洗いましょう。






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