南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

獣医学と落語 (2) 〜法華坊主〜

落語の
「法華坊主(ほっけぼうず)」
というお噺に
「とうてんこう」
と鳴く生き物が出てきます。

この生き物は、早朝に東の空が明るくなってくると
東天紅(とうてんこう)!」
と鳴きます。

辺りが明るくなり、国のすみずみまで光が差し始めると今度は
「国家光(こっかこう!)」
と鳴きます。

しかし「やかましい!」と後家さんに叱られ、
「後家、怖っ(ごけ、こわっ)!」
と鳴いて逃げて行きます。

この生き物、正解はニワトリです。
実際に、長鳴きするニワトリで
東天紅と名付けられた品種もあります。

昔は、たいていどの小学校にもニワトリがいました。
登校時にさかんに鳴いていたものです。

しかし最近はニワトリのいる学校も減り、私も去年、ニワトリの往診は一件だけでした。

飼育されなくなった原因。
それは鳥インフルエンザだと思われます。
確かに、小学校では充分な防疫体制が取りにくい‥‥。
ニワトリは、子供たちにとっても珍しい生き物になりつつあります。
そしてこれは、実は油断できないことなのです。

ニワトリには攻撃性が強いものがいます。
怒ると跳び蹴りをしてきますが、かなりの跳躍力があります。
子供の目の高さまでは容易にジャンプ。
そして爪を繰り出してきます。

「今までニワトリに接したことのない子供」にとっては全く想定外の攻撃を受けることになります。

しかしこれはニワトリが悪いわけではありません。そういう生き物なのです。

ですから学校でニワトリを飼育し始めるときは充分な観察時間をとることが必要です。
事故が起こらないよう人とニワトリ双方に、慣れるための準備期間を確保しましょう。



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