南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

高齢猫の多飲多尿

日付が変わって、ようやく往診が終わりました。
最後は20歳の猫でした。
20年前と言えばイチローオリックスで活躍して、
ヤマンバギャルが世の中を闊歩していた頃です。
最近の猫は本当に長生きです。

さて、
「高齢の猫が水をガバガバ飲み、尿量も多い」
となればまず腎不全を疑います。
もちろん他にも病気は考えられますが、
腎不全は鑑別リストの上位にきます。

この腎不全というのは猫にとって
宿命のようなものです。
高齢の猫はほぼ、腎機能が低下しています。
すると

・多飲多尿
口内炎
・胃炎

と言った症状が出てきます。
薄いオシッコを大量にしますから、
脱水状態になり、ふらつきも出てきます。
食欲も低下します。

飼い主さんの中には
「水をよく飲むのは、いいことだと思っていた」
とおっしゃる方もいます。

しかしたくさん飲んでいるという事は、
たくさん喪失しているという事でもあります。
多飲多尿が明らかな場合は、
すぐに獣医さんに診てもらいましょう。

猫の腎不全は、
皮下点滴といくつかの薬を使いながら、
長く付き合っていかねばならない病気です。

早めにわかる事が一番ですので、
多飲多尿が気になったらすぐ受診して下さい。
高齢の猫なら、なおさらです。