南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

針の誤飲! 続報

 

前回、「針の誤飲が続出しているのでは?」ということを書きました。

 

 

ここしばらく、「沖縄県獣医師会」という小さなコミュニティの中でとは言え、縫い針やまち針の誤飲件数が非常に多いことがわかってきました。

 

そこで沖縄県獣医師会は県下動物病院に緊急アンケートを実施し、その全容を把握しました。

 

先ほどその結果がプレスリリースされ、Yahooニュースにも掲載されています。

 

 

新型コロナウイルスへの警戒

→マスクを自作する人が増える

→裁縫のため、針を使う人が増える

→室内にいるペットと針の接触機会が増える

→針を誤飲する症例が増える

 

という背景であろう、と予測されます。

犬も猫も、縫い針やまち針に興味を示して口に入れる習性があります。

 

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(*この子猫は今回の誤飲事件とは無関係ですが、子猫は特によく生活用品を口に入れますね)

 

さて常識的に考えて、これが沖縄県だけで起きている現象とは思われません。

全国的に、同時多発的に起きている可能性があります。

 

そして、そのような事故が「起きている」ということを飼い主さんが発見できていない可能性もあります。

 

私が診た症例の場合、猫は一瞬で針を飲んでいました。

 

もともと針が何本あったか明確でない場合、引き算が成立しません。

「針を飲んでしまった」という事すら飼い主さんは把握できないわけです。

 

「急に具合が悪くなって‥‥」

「裁縫をなさいませんでしたか?そばにこの子がいませんでしたか?」

という問診がしばらく大事になるでしょう。

 

先ほどの私が診た例では、飼い主さんは「マスクを縫って、ある施設に寄付しようと」なさっていました。

善意の行いが裏目に出たわけで、こういった出来事はもう起きてほしくないなと思います。

 

縫い針の誤飲。

くれぐれも注意を!

 

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