チンチラ、チンチラ、チンチラ。
お電話です。
「もしもし。うちの子を診てもらいたくて」
「種類は何ですか?」
「チンチラです!」
むむっ。注意せねばなりません。
「念のために伺いますが」
「はい」
「チンチラですね?」
「チンチラです!」
「うさぎや猫ではありませんね?」
「チンチラです!」
「おお、じゃあチンチラだ!」
どういうことでしょうか。
この「チンチラ」という言葉、
しばしば誤解のタネになります。
これらはそれぞれ全く別の動物です。
にも関わらず、三者とも
「チンチラ」と呼ばれることがあります。
まず、正真正銘のチンチラ。
げっ歯類でネズミの仲間。
南米チリの岩場に住む、
耳が大きくしっぽの長い動物です。
(Wikipedia )
次に、チンチラウサギ。
フランスで改良されたウサギです。
毛並みが本家チンチラに似ているので
この名がつきましたが、あくまでもウサギです。
(Wikipedia )
そして、チンチラペルシャ。
イギリスで交配され生まれた猫種。
ネコ自体がメジャーな生き物なので、
「チンチラ」と言えばこの猫をイメージする人が多数。
こちらも毛並みが本家チンチラに似ている、
ということで名付けられました。
(Wikipedia )
先月は、正真正銘のチンチラの往診がありました。
私にとっては非常に珍しいことです。
チンチラはアンデスの岩場に住み、
基本的に涼しい気候を好みます。
沖縄で飼っている人は少ないと思いましたが、
何とこの子は寒がりなのだそうで‥‥。
生き物は、なかなか教科書通りにはいかないものです。