猫と洗濯ネット
猫の診察をするとき、重宝するのが
「洗濯ネット」です。
あらかじめ猫を入れておいてもらえると
到着してすぐ診察を始められますし、
簡単な処置ならネットに入れたままでできます。
先日はファスナーを少し開けて、
外傷を負った猫の患部をそこから出して、
飼い主さんと声をかけながら皮膚縫合しました。
中には暴れる子もいますが
ネットを強めにしぼるようにすると、
猫は中で暴れるのをやめます。
注射や消毒もネットの外から、
あるいはファスナーを少し開けて‥‥、
という形でできます。
さて。
ひとことで「洗濯ネット」と言っても、
どれでもいいというわけではありません。
私がいいと思うのは、これです。
こっちは、よろしくない。
網目が粗いか、細かいか。
獣医師によって意見は別れるかも知れませんが、
私は二つの理由から粗い方がいいと思います。
理由1.強い
猫の爪や歯は鋭く、網目の細かいものは裂かれます。
網目が粗いものはたいてい、糸の一本一本が太いので、耐久力が強いわけです。
理由2.見やすい
とりあえずネットに入れて、それから診ましょう!
というとき。
網目が粗ければ、よく観察できます。
逆に網目が細かいと中の猫が見えないので、
ひたすらネットを観察することになってしまいます。
特に外傷のある猫の場合、
「ネット越しに患部を視られるかどうか」
は治療の方針を立てる上で大きなカギになります。
ということで、
ネットひとつとってもちょっとしたコツがあるものです。
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