獣医学と音楽(1) 〜スカボローフェア〜
「獣医学と〇〇」シリーズ、今日は音楽です。
サイモン&ガーファンクル、1966年の楽曲から。
、
「スカボローフェア」、その最初の部分を聞いてみましょう。
Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
For once she was a true love of mine
<訳>
スカボローの市へ行くのですか
パセリ、セージ、ローズマリーにタイム
そこで暮らしている人によろしく伝えて
いつか私が愛した人だから
さて、この美しい歌詞の中にも獣医学と関わりの深い言葉が出てきます。
おわかりでしょうか。
この部分です。
Parsley, sage, rosemary and thyme
「パセリ、セージ、ローズマリー」に続いて出てくる、
「タイム ( thyme) 」という言葉。
もちろん、香草のタイムのことです。
さて医学や獣医学に通じた人は、この「thymeによく似た綴り」の解剖学用語をご存じのはずです。
それは
胸腺(きょうせん)= thymus です。
胸腔にある、一次リンパ器官ですね。
なぜ香草であるタイムと、リンパ器官である胸腺がよく似た言葉に収まっているのでしょうか。
それは
「胸腺からはタイムの香りがするから 」
だという説があります。
実際に胸腺肉は独特の香りを持っているようで、フランス料理でも子牛の胸腺は「リー・ド・ヴォー」として珍重されます。
本当にタイムの香りがするかどうかは意見が分かれるようですが・・・。
ぜひ、thymusという言葉が生まれた瞬間に立ち会ってみたいものです。
ということで、「獣医学と音楽」でした。