南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

お薬の「一般名」と「商品名」

前回、アポキルというお薬について説明したとき、
「アポキルの中身はオクラシチニブです」
と書きました。

「何でお薬と中身が別の名前なの?」

と疑問を抱かれた方のために、
今日は「お薬の名前」についてお話します。

まず、例として下の写真を見てください。
上が人体薬の「ラリキシン錠」、
下が動物薬の「セファクリア錠」です。

この二つの薬、主成分は共に
セファレキシン
という抗生物質です。

「じゃあ両方ともセファレキシンじゃないの?」
と思いますね。

しかし主成分がそのまま商品名になるとは限りません。

薬の名前には
「一般名」=「薬の主成分」
「商品名」=「製剤化されたときの名前」
の二つがあります。

一般名「セファレキシン」の場合、
人間用に製剤化した商品名の一つが
「ラリキシン錠」、
犬の体重や嗜好性にあわせて製剤化した商品名が
「セファクリア錠」、
ということになります。

つまり、ひとつの一般名に対して
複数の商品名が存在する、
ということになります。

セファレキシンの場合、
この他にも「ケフレックス」という
商品名で出ているものがあります。


さて、
商品名は製薬会社が独自に付けることができるので、
薬の効果がわかりやすいように
「そのままズバリのネーミングになっている」
ことがあります。

たとえば、下の表は
「瞳孔を散大させる目薬」、つまり散瞳薬の表です。
この中に、ダジャレみたいな名前のお薬があります。

一番下の「サンドールMY」ですね。
散瞳させるための目薬ですから、
何とわかりやすいネーミングでしょう。

お薬の一覧表を色々ながめているだけでも結構、
新たな発見があって楽しいものです。