南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

獣医学と歴史 (3) 〜 一ノ谷の戦いと有蹄類 〜

鹿も四つ足、馬も四つ足、
鹿の越えゆくこの坂路、
馬の越せない道理はないと
大将義経真っ先に‥‥
(文部省唱歌鵯越(ひよどりごえ)」)

今日3月20日は、歴史上名高い
鵯越の戦い」のあった日です。

1184年、兵庫県福原に布陣した平氏軍に対し
源氏は三方向からの攻撃を仕掛けますが、
これを破ることができません。

このとき密かに迂回行動を取っていた源義経
わずか70騎を率いて平氏軍の背後へ。
そこは一ノ谷と呼ばれる断崖。
特に傾斜の激しい場所は鵯越(ひよどりごえ)と号し、
平氏もここから敵が襲ってくるのは想定外。

「吾妻鑑」によれば、この鵯越
「猪、鹿、兎、狐のほか通らずの險阻(けんそ)なり」
という難所です。

義経はこのとき
「鹿が通れるなら、馬も通れるだろう」
というよくわからない論法を持ち出し、奇襲を敢行。

その結果、平氏は大混乱に陥り潰走します。
この断崖からの敵陣突入を歌ったのが冒頭の
「鹿も四つ足、馬も四つ足」
であるわけですが‥‥。
これはやはり生物学的に無理があります。
子供の動物教育上もよろしくない。
ということで、1184年まで行ってきます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「鹿も四つ足、馬も四つ足」
「あいや待たれよ九郎殿、道理に無理がござる」
「む、見慣れぬ武者。誰ぞ」
「往診中の者にござる」
「鹿も四つ足!」
「鹿は偶蹄類にござる」
「馬も四つ足!」
「馬は奇蹄類にござる」
「偶蹄、奇蹄とは何ぞ」
「すなわち鹿はひづめが二本。人に照らさば中指と薬指で安定を保つの姿に相成りまする」
「しからば馬は」
「ひづめは一本。中指にて起立安定をなす動物なり」
「その意を述べよ」
「鹿はすなわち傾斜ありても二本のひづめにて体幹を安定せしむるも、馬はこれを為さず」
「されば、馬は傾斜に立たざる類と申すか」
「しかり、しかり」
「されば平家の者供も、左様に思うべき。いざ!」

あっ‥‥。。。。。。
結局、突撃してしまいました。
まぁ、ここで引き返すような義経ではないですね。

不思議なことに、
偶蹄類はウシ科・シカ科・ヤギ科・キリン科など
ひづめのある動物の90%以上を占めるのに対して、
奇蹄類はウマ科・サイ科・バク科を除いて
全て絶滅してしまいました。

源平合戦の例を出すまでもなく
人の世は盛者必衰の理の上にあるわけですが、
動物の世界もひづめが奇数か偶数かで
こうまで栄枯盛衰が別れるものなのか‥‥。
実に不思議です。



豚のひづめ お試しリパック | チワワ 犬 おやつ ガム 国産 無添加 長持ち 硬い 小型犬 ペット オヤツ デンタル デンタルケア 甘噛み ストレス 解消 ペットグッズ ペット用 ペット用品 トリーツ ひずめ ごほうび しつけ トレーニング ベストパートナー