南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

空を飛ぶ、肉?

前回、ビタミンCを合成できない動物について書いたときに、オオコウモリについても触れました。



私がふだん往診している沖縄県の南部地域にも、オリイオオコウモリという種類のオオコウモリがいます。
彼らは枝にぶら下がり、せっせと果実をかじっています。



(深夜、街路樹の果実を食べるオオコウモリ)


沖縄県南部、特に玉城(たまぐすく)、知念(ちねん)あたりではこのコウモリのことを
「シシバニー」と呼びます。

シシ=肉
バニー=羽根

肉の羽根、つまり
「翼が羽毛に覆われていない」
ということなのだろうと思います。

夜、彼らにこっそり近づくとバッサバッサと飛び去りますが、その大きさには本当に驚かされます。
翼を広げると60センチくらいあります。


一方で、昆虫を捕食するような小型のコウモリを何と呼ぶかというと、これは「ガジャンクェー」だそうです。

ガジャン=蚊
クェー=食うもの

まさしく昆虫の捕食者、ということになります。


果物を主食とするオオコウモリが巨大なのは、機敏に飛び回る昆虫を捕食する必要がないためと考えられます。

ですからオオコウモリは一部の種を除いて、超音波を出しません。
小型のコウモリは夜間でも超音波の反射で昆虫の位置を把握しますが、オオコウモリにはその能力が必要ないのです。

秋の夜長。
皆さんも街路樹を見上げてみてはいかがでしょう。

闇に光る二つの目。
飛び去る翼に羽毛がなかったら。
そう、彼です。





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