猫の手汗
二週間ほど前に、
「猫はほとんど汗をかかない」
ということを書きました。
飼い主さんから
「うちの猫は手に汗をかきますが‥‥」
という質問があったので、ちょっと補足します。
人間の場合、「エクリン腺」から分泌される汗が体温を下げる働きをするわけですが、
このエクリン腺が猫には見られないかというと、そうではありません。
確かに猫の診察中、肉球を触ると濡れていることがあります。
実際のところ、猫は手のひらにエクリン腺を持っています。
なぜ、例外的に手のひらにあるのか。
それは、肉球が機能しやすくなるためと考えられます。
いま、猫が獲物を狙っているとしましょう。
タイミングをうかがううち、
緊張のため肉球はしっとりと湿ってきます。
いざ獲物を両手で押さえつけるとき、
滑り止めの効いた手のひらは獲物をしっかりと抑え込むでしょう。
また、後ろ足の肉球も湿ります。
跳躍のときに足が滑ると困ります。
ある程度、肉球は湿って滑り止めが効いている方が良いのです。
とは言え、この手汗も万能ではありません。
床がつるつるしていたり、足場が悪かったりすると、トホホな結果になってしまいます。
その証拠となる映像もたくさんアップされていますから、のぞいてみてください。
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