あなたの知らないローストビーフの世界
今日ネットニュースを見ていたら、ローストビーフの作り方を紹介する記事がありました。
本格ローストビーフを自宅で!
時短でお手軽にプロ級の味!
おもてなしにもぴったり!
‥‥というような見出しでした。
ではここで、下の表をご覧下さい。
さて何の暗号でしょうか。
正解は
「ローストビーフの加熱温度と時間の関係」
です。
左の列が温度、右の列が時間です。
大事なのは、この表は
「こうすれば美味しくできますよ」という目安ではない
ということです。
この表は、
「こうしないと飲食に起因する衛生上の危害が発生しますよ」と食品衛生法で定められている基準です。
実はローストビーフの作り方は法律で決まっています。
あくまでも調理販売するときの話ですが‥‥。
そしてもう一つ大事なことは、ここでいう加熱温度とは、肉の中心温度のことです。
肉の塊が大きい場合、いくら表面を加熱しても内部には火が通りません。
ですから肉の中心温度で基準が定められねばなりません。
中心温度が55度のときは97分の加熱が必要。
56度のときは64分の加熱
57度のときは43分の加熱
58度のときは28分の加熱
このように、加熱温度が高くなれば加熱時間も短くなります。
ちなみにこの表には続きがあって、
中心部の加熱温度を63度まで上げると、加熱時間は「瞬時」となります。
繰り返しますが、これは食品衛生法で定められた基準です。
ローストビーフを調理販売する場合は、この基準を守らねばなりません。
この様にもともと、「食肉」というのはかなり衛生基準が厳しいものです。
中でもローストビーフは「特定加熱食肉製品」に分類されていて、上に挙げた表以外にも厳しい衛生基準が定められています。
自宅でカンタンに調理して、気軽にお客さんに振る舞う食品ではないと考えます。
‥‥ということで、最近このブログで生肉の話をしている所でしたのでローストビーフについてまとめてみました。
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