南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

学校飼育動物を考える (7)

「動物愛護管理推進計画」。

どの都道府県にも、この計画書があります。

沖縄県なら「沖縄県動物愛護管理推進計画」。
東京都なら「東京都動物愛護管理推進計画」。
大阪府なら「大阪府動物愛護管理推進計画」。

一体これは何なのか。

ここで、改めて動物愛護法を見てみましょう。
そこにはこう書かれています。

第五条
環境大臣は、動物の愛護及び管理に関する施策を
総合的に推進するための基本的な指針
(以下 「基本指針」という。)を定めなければならない。

第六条
都道府県は、基本指針に即して、当該都道府県の区域における
動物の愛護及び管理に関する施策を推進するための計画
(以下「動物愛護管理推進計画」という。)
を定めなければならない。

要するに各都道府県は、動物愛護法に従って
「動物愛護管理推進計画」
を定めているわけです。

さらに。
この六条の続きには、こう書いてあります。

都道府県は、動物愛護管理推進計画を定め、
又はこれを変更しようとするときは、
あらかじめ関係市町村の意見を聴かなければならない。

つまり、国が定めた指針に沿って、
都道府県が市町村と合意の上で定めたもの、
それが
「動物愛護管理推進計画」
なのです。

従って、市町村は
「動物愛護管理推進計画?そんなの我々は知りませんよ」
とは言えないわけです。

では、ここから本題に入りましょう。

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もし、この
「動物愛護管理推進計画」に
「動物愛護教育」
のことが書かれていたら?

それは、
都道府県」が
「市町村の意見を聞いた上で」
「公に向けて策定した文書」
において、
「動物愛護教育を推進する」
ことが明記されていることになります。

これが何を意味するのか。
つまり学校における動物愛護教育は、
単に学校だけが関わるものではなく、
「県、市町村の政策として行われている」
ということになります。

この場合、例えば
「学校に飼育動物の治療費がないから」
といって無秩序な繁殖が起こっていた場合、
単に学校だけの問題にとどまりません。

また、飼育担当の先生が
「学校飼育動物の予算がないんです」
とオロオロするのはおかしいことになります。
「子供の教育のために大切に飼う」、
というのは県の計画であり、
市町村も合意しているわけですから。

さて問題は、
この推進計画の中身が本当にそうなっているかです。

次回、例として
沖縄県動物愛護管理推計画」
を見てみましょう。