獣医が学校に出現する理由
前回、中学校に伺ったことを書きました。
なぜ獣医師が学校を訪れるのか。
今日はそのことについて。
私が学校を訪問する理由は、
「学校が動物愛護教育の普及啓発の場」
だからです。
これは何も、私個人の勝手な考えではありません。
いわゆる動物愛護法にハッキリと書いてあります。
○動物の愛護及び管理に関する法律
(第三条)
国及び地方公共団体は、動物の愛護と適正な飼養に関し、前条の趣旨にのつとり、相互に連携を図りつつ、学校、地域、家庭等における教育活動、広報活動等を通じて 普及啓発を図るように努めなければならない。
つまり動物愛護教育というのは、
「国・地方公共団体が連携して取り組むもので、学校はそれを行う場である」
ということが法的に明示されているのです。
とは言え、実際に
「じゃあ、動物愛護教育をやるか」
となっても、
「誰が詳しいんだ」
「動物のこと、どうやって教えたらいいんだ」
という問題が出てきます。
そこで「動物の専門家」としての獣医師が教育をサポートする。
これは実に道理にかなったことです。
ただ、残念なことに学校には「学校医」はいても「学校獣医」はいません。
学校保健法に「学校には学校獣医を置くものとする」という文言がないからです。
ですから私は、個々の学校からの依頼を受けて治療をしたり、講話をしたりするわけです。
しかしそれは先に述べたように、まぎれもなく動物愛護法に基づいた仕事だということになります。
ですから生徒の皆さん、私が学校の廊下を歩いていても不審に思わないで下さい。
飼育小屋の横にある鉄棒で立ち止まり、「思い出すなあ!」と懸垂を始めても怪しまないで下さい。
(いや、これはどう見ても怪しいな‥‥)