南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

学校飼育動物を考える (8)

沖縄県動物愛護管理推計画。

では、中身を見てみましょう。
‥‥と言っても分量が多いものです。

わかりやすい図があるので、その中から
「計画の概要」
を抜き出します。

それぞれの機関の役割が、
しっかりと書かれています。

まず、教育機関等の役割
「幼児・児童・生徒に対する動物愛護教育に努め、この計画の推進に協力していく」

学校飼育動物をきちんと飼う、というのは飼育担当の先生の個人的な責任ではなく、学校の役割だという事がはっきりわかります。


次に、市町村の役割
「住民への動物の愛護と適正飼養に関する普及啓発を行う」

つまり、市町村というのは、
「飼育動物はきちんと飼って下さい」
という普及啓発を行う機関です。

その市町村の教育委員会が、
「学校でうさぎの無秩序な繁殖があっても放置しています」
とは言えないはずです。
いやむしろ、
「ちゃんとしないとダメじゃないですか!」
と言う側なのですから。
実際、市町村は法令に基づいて、
一般市民に対し
「不適正な飼養はいけません」
と指導しているわけです。

ですから、
もし市立小学校で動物の飼養に問題があれば、
「市役所の中で自縄自縛の状態になっている」
ということになります。


そして、県の役割
「動物の愛護と適正飼養に関する普及啓発。各主体との連携・協働体制の構築」

市町村、学校、獣医師会が連携して動きやすい環境を作っていく、と解釈できます。


もちろん獣医師会の役割もあります。
「行政や教育関係機関及び民間団体等と連携をとりながら、地域の動物愛護活動、学校飼育動物に対する動物の健康管理や適正飼養管理等への技術的な支援や助言を行う」
確かにその通りです。


つまり、要点をまとめれば
・学校「学校として大事に飼おう!」
・市町村「ちゃんと飼わないとダメだよ?」
・獣医師会「支援や助言をするよ!」
・県「みんなが連携しやすい環境を作るよ!」

ということになります。

つまり、
学校飼育動物に何か問題が起こったときには
先生個人や学校が抱え込むのではなく、
市町村、都道府県と連携できるはずなのです。
もちろん、必要に応じて獣医師会に支援を要請しても良いでしょう。

「動物愛護管理推進計画」。
学校飼育動物も、
飼育担当の先生も、学校も、
決して孤立させないような枠組みが
すでに存在しているのです。


学校飼育動物については
まだ書き足りない所もありますが、
ひとまずここで第1部を終えましょう。

ということで、
私は今日から獣医学会発表のため、
神奈川に赴かねばなりません。
土、日、月と往診はお休みします。
ご了承下さい。

それにしても。
関東は大雪だそうですが。
飛行機はちゃんと飛ぶのでしょうか‥‥。