南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

現場に花が咲いている

幼稚園のうさぎを診に行ってきました。

この幼稚園には、うさぎが1羽しかいません。
その1羽も、すっかり年老いてしまって
寝たきりになってしまいました。

それでも食欲はしっかりしており、
自分でできる範囲の毛づくろいはしています。
一時期、状態が悪かったのですが、
先生方の献身的な介護の甲斐あって持ち直しました。

「わあ、獣医さんが来たぞ」

たいてい、子供たちは期待と安堵の表情で迎えてくれます。
これは相当なプレッシャーではあります。
「獣医さんが薬をあげれば、良くなるに決まっている」
子供はそう思いますから。

しかし加齢を止めることはできず、
治らない病気もあります。

そのことに子供たちとどう向き合うか。

一番いけないのは、発病から死に至るまで、そして見送りまでの一連の過程を隠してしまうことだと思います。

昨日までいたあのうさぎはどこへいったのだろうか。
いつのまにか知らないうさぎが小屋にいるが、なぜだろうか。

子供たちにこういった疑問を抱かせ、しかもその疑問そのものを忘れ去らせてしまうと、
いったい何のために飼育しているのかわからなくなります。

さて、この幼稚園では、
寝たきりのうさぎは職員室で暮らしています。
部屋の出入りの際は職員が声をかけて、
子供たちものぞきにきます。

気づくと、花が飾ってありました。
園児のひとりが
「早く良くなるように」
と、折り紙で折った花です。

多くの学校で「学校飼育動物」の予算が組まれていません。

そしてそれは、学校単独の責任ではありません。
関連法規をよく読み込むと、これは本来、市町村が予算を組んで支出すべきものだと考えられます。

その法に基づいて言えば、
「学校は動物愛護の啓発の場であること」が、
動物愛護法に明記されています。

(国及び地方公共団体は‥‥〜中略〜‥‥学校、地域、家庭等における教育活動、広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならない )

そして飼育動物は適正に飼育されるべきこともまた、動物愛護法に明記されています。

(何人も、動物を取り扱う場合には‥‥〜中略〜‥‥適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない)

言うなれば「学校飼育動物」こそ、
「動物はこうやって飼うべきものです」
というモデルにならねばなりません。

そのことを多くの大人が知らないか、
知っていてもどうしていいかわからない状態です。

そして
「大切に飼うこと」
を一番理解しているのは、ほかならぬ子供たちなのです。





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