南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

楽しく勉強するには‥‥。

昨日お話ししたように、愛玩動物協会のテキストを読みながら自分が講義を担当する部分を復習しています。

犬や猫の体の特徴についても触れるのですが、こういった解剖学的な事はなかなか頭に入ってこないかも知れませんね。

疲れたら、少し脇道にそれてみるのも手です。
なぜなら、
「あえて学習領域を拡張することで記憶が固定化される」
そんな場合があるからです。

つまりこういうことです。

例えば犬の骨格標本を眺めるとき、あえてヒトの骨格と比べてみます。


今回は肋骨について見てみましょう。
犬では13本です。


(犬の骨格 Wikipedia)


ちなみにヒトは12本です。

(ヒトの肋骨 Wikipedia)


何でヒトは一本少ないのかな、人間は二足歩行で、身体を折り曲げたりかがんだりするから、肋骨が多いとお腹の方まで骨で覆われて不便なのかな‥‥。

そんなことを考えます。
この場合、結論が出なくても構いません。

逆にこうも考えます。
仮に、「身体を折り曲げる必要がない生き物」がいるとして。
その動物では肋骨はどうなっているだろうか。

身体を折り曲げる必要がない動物。
たとえばどんな動物だろうか。

そいつは、木には登らないはずだ。身体を折り曲げずに木には登れないから。

肉食獣でもないはずだ。身体を伸ばしたまま、襲いかかったり獲物を仕留められるはずはないから。

比較的大型の動物のはずだ。小さければ襲われるし、身体を伸ばしたまま逃げる事はできないから。

すると
「地上にいる」「草食」「大型で強い」
このような生き物は身体を折り曲げる必要が少ないから、人とはちょうど逆のパターンの肋骨を持つはずだ。

‥‥ということで。
実際に見てみましょう。

これは、ある大型の哺乳類の骨格です。


(cambridge zoology museum)

肋骨が腹部までを覆っています。
まるで鎧を着ているようです。
しかしこれでは、お腹を丸めたり急速な方向転換をすることは難しそうです。

実はこれは、サイの骨格です。
柔軟な運動性よりも、防禦能力に特化した骨格を獲得したことがよくわかります。

彼らは身をかがめてバネのように背をしならせて跳躍することは出来ませんし、高低差のある環境下で活発に暮らすことも苦手です。

しかし分厚い皮膚と下半身をすっぽり覆う肋骨により、腹部は見事に要塞化されています。
平原というフィールドでは無類のアドバンテージを発揮するでしょう。

それでは、他の生き物の肋骨はどうなっているのか。
ネコは?ゾウは?
このように余計なことまで調べ始めると、勉強はがぜん楽しくなってきます。

教科書を覚えるのがつらくなってきたとき、
「その領域のまわりに何があるのか」
自発的に考えると、景色が生き生きとしてくることがあります。

おっと。
そういう自分が勉強しないといけないんだった。

では、受験生の皆さん頑張って下さい。
今日はこれにて。




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