北野式マイターン勉強法 ( 7 )〜論理の橋を架けていこう〜
きょう、愛玩動物飼養管理士を目指す方むけの講義に出掛けますのでそれに関連して。
教科書に書いてあることを「覚える」ことについて少し触れておきます。
記憶にも色々あって、例えば
「猫は生後約10日で目が開く」
ということを覚えようとするとこれはもう、ただ覚えるしかありません。
なぜ10日なのか、ということを考え抜いても
「猫はそういう成長過程をとる」
としか言えません。
ところが、教科書の中には
「わざわざ覚えなくてもいい」
という事柄もあります。
・ウサギは盲腸が発達している
・ウサギは骨密度が低い
・ウサギは肺活量が少ない
この三つのうち、下の二つは覚えなくても構いません。
理論的に考えるとわかるからです。
詳しく言えば、
「ウサギは盲腸が発達している」
という一つの事実から、残りの二つは導き出せるということです。
やってみましょう。
ウサギは盲腸が発達している
草を大量に食べるためである。
するとお腹が重い。
捕食者から逃げるとき不利になる。
身体のどこかを軽量化する必要がある
筋肉を軽量化すると跳躍ができなくなる
そこで骨を軽量化する
→ウサギは骨密度が低い
盲腸が重いので上半身は軽量化する必要がある
しかし頭部は草を噛むための歯やその周りの強靭な構造を必要とする
そこで胸腔を小さくする
そこに収まる肺の容積も小さくなる
→ウサギは肺活量が少ない
‥‥という流れです。
生物学の分野では、個々の事例が有機的につながっている場合が多くあります。
いっけん無関係なことがらでも、理屈で順々に考えていけば、その思考の道の上からたくさんの結論を拾い上げることができます。
するとそのぶん覚えるべきことが減り、本当に覚えないといけないことに注力できます。
「これは本当に覚えないといけないことか」
常に自分に問いかけながら、ページをめくっていくと良いでしょう。
あくまでも、自主的に。自由な思考で。
机に向かっているときは、常にあなたのターンなのですから‥‥。