南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

育児放棄?‥‥ではなくて。

おや、電話がかかって来ました。

「母親なのに、赤ん坊にほとんどおっぱいあげないんですよ。というかね先生、そもそも」
「はい、そもそも」
「赤ん坊のとこにいないんです。産んだばっかりですよ!日に2、3回は戻ってるようですけどね‥‥」
「そんなもんです。気になさらずに」

これが産婦人科医のコメントなら問題ですが、こちらは獣医師。
さて問題はこの動物が何なのかと言うことですが‥‥。

「先生、やっぱり心配で」
「しかしね、赤ん坊は生きてますでしょ」
「生きてますけど‥‥。でもつきっきりで温めたり、母親というのはそういう‥‥」
「いや、ウサギはそんなことしません」
「えっ!!」

そう、ウサギに関する問い合わせでした。

基本的にウサギは子を抱いて保温する習性がありません。
授乳の回数も非常に少ない動物で、基本的には1日に1回です。
飼育スペースが狭い場合、行動パターンが制限されるため日に複数回授乳することもありますが‥‥、いずれにせよそういう生き物です。

確かに人間の感覚からすると育児放棄ですが、ウサギからすると、赤ん坊との接触機会を減らすことで「捕食者から我が子を遠ざける」という理にかなった戦略を選択していることになります。

「でも、やっぱり心配で‥‥」
「あのね、飼い主さん。キリンは1回の睡眠で、どれくらい眠ると思いますか」

「えっ、キリン!わかりません」
「20分だそうです」
「へー、20分‥‥」
「ただし1日に10数回寝るそうなので、結局トータルで5時間くらいは寝てるらしいですがね」
「はぁ‥‥」
「人間が毎日これやったら、気が狂いますわな。例え合計5時間でも、20分ごとに起こされたらね」
「そうですねぇ」
「生き物って、そういうもんですよ。ヒトを基準に考えたら心配が尽きません。キリンはキリンで、ウサギはウサギで、それが当たり前なんですから」

納得していただけたかどうか‥‥。
往診の合間のやりとりでした。




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