南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

ウジ対策 予防編

前回、ウジを招きやすい条件について解説しました。

そこで今回は「招かないようにするためにはどうすればよいか」のお話をしましょう。


1.毛刈りをする
単純に、毛が短ければ異常を発見しやすくなります。また、毛玉はハエやウジの基地になります。毛玉を除去するだけでも大きな効果があります。
ハエ・ウジの好む環境を作らないようにしましょう。
ただし、注意事項あり。皮膚を切らないということです。
毛が絡まってバリカンが入らない場所はハサミで切るわけですが、このとき毛を引っ張りながら切ると誤って皮膚を切ってしまいます。
注意しましょう。


2.毛を濡らしたままにしない
そんなに長い毛でなくても、ウジにやられることがあります。首輪の下など毛が乾きにくい所をハエは好むのです。
犬が雨の日に外で遊んでそのままだったり、シャンプーのあと乾かし忘れた場所があると、死角になった場所からウジがポトリ‥‥。
毛が濡れたらすぐに乾かす。
心掛けましょう。


3.ハエとの接触を防ぐ
ハエが動物にたかるのを未然に防ぎます。ハエ取りテープや防虫剤も、ある程度の効果はありますが基本は屋内に入れること。
それができないのであれば、蚊帳(かや)をつってあげます。
下の画像はハエから寝たきりの高齢犬を守るために、飼い主さん自身が作ったものです。

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ちなみにこれは大変な優れもので、腰が悪い飼い主さんも世話しやすいよう、立ったまま介護ができるような仕様になっています。
ちなみに下段は収納スペースで、ガーゼなど衛生用品が入っています。
ともかく、「ハエがこなければウジはわかない」
単純な発送ではありますが、効果は明らかです。


4.飼育環境をキレイに
糞尿が片付けられず放置されていたり、食べ残したフードがそのままになっていたり。
これではハエに招待状を出しているようなものです。
例えばマンゴーはハエを使って受粉させるのですが、ウジの飼育にドッグフードを用いる農家さんもいるほどです。
これはハエ対策に限ったことではありませんが、衛生状態を悪化させないこと。
常に清潔を保ちましょう。


5.動物をキレイに
ハエは非常に嗅覚の優れた生き物で、ごく小さな傷外耳炎の耳だれなどにも反応して飛来します。

ですから被毛を清潔に保つことも大事です。長い期間洗ってもらわれず、体全体から異臭がする犬を往診先で見ることがあります。
普通の動物用シャンプーでも構いませんし、殺菌消臭作用のあるシャンプーも効果的です。


‥‥ということで予防の要点を挙げました。
飼い主の皆さん、くれぐれもご注意下さい。

さて、次は「実際にウジを見つけたらどうすればいいのか」という話をせねばなりません。

次回に続きます。



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