南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

台風+雨風好きの犬=?

現在、沖縄は台風が通過中です。
今日の往診中も荒れた海を見ました。

さて、雨や風が強くなると妙にテンションが上がる犬がいます。

数年前、台風のあと電話がありました。

「犬の目が、腫れてるんですよ」
「いつからですか?」
「いつからと言うか‥‥、昨日の台風ね、あのときに当たったんですですよ」
「当たった?目にですか?」
「そう、目に」
「何が?」
「何かが」

どうも要領を得ませんので、出向きます。

見ると、確かに目が腫れています。
外傷のようです。

「台風のとき、この子は庭に出てたんですか?」
「そうなんですよ。てっきり、ひさしの下の小屋に入ってるもんだと思ってたんです。雨風が強くなってきたもんでね、気になって見に行ったんですよ」
「そしたら」
「小屋にいないんですよ。探しましたらね、垣根に顔を突っ込んだまま立ってるんです。外を見てるんですよ」
「えっ!あの暴風の中で」

沖縄の台風の凄さは説明するまでもありません。
時に車が横転し、街路樹は根こそぎ倒される始末です。


「たぶん一、二時間は雨風に打たれてたと思います」
「何でまた‥‥」
「首が抜けなかったんですよ!垣根から」
「頭がつっかかったわけですか」
「そう!もともとこの子は外を見るのが好きでね、垣根から顔出して道を観察するんですよ。特に風が強い日なんかは、妙に興奮してね」

どうやら台風でテンションが上がり、一心不乱に垣根の間から顔を出していたようです。
そしてどういうわけか、頭が抜けなくなってしまいました。

「肩から引っ張って引きずり出しましたけどね、もう、びしょ濡れで」
「で、そのときは目がこんなだったわけですか」
「そうです。風で飛んできた枝か何かが当たったんだと思いますよ」

犬本人はいたって元気で、ちょっと目を放すとまた垣根から顔を出そうとします。
全く後悔の色が見られません‥‥。


幸いこの子は処置が早かったためか二週間程度で回復し、視力も失いませんでした。

こんな台風の夜を迎えると、
「あの子は垣根から顔出してないだろうな‥‥」
と、ふと気にかかります。




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