南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

もう一度、人を信じてもらうために

このところ、よく保護犬を診に行きます。
昨日はずいぶん大きい子の所に行きました。

写真ではわかりづらいかも知れませんが、
この子は人ひとり分くらいの体重があります。
詳しい年齢は不明ですが、老犬と見て良いでしょう。
今はボランティアさんの保護施設で余生を送っています。

もともと、この子にも家族がいました。

しかし沖縄での生活を終えるにあたり、
この子を残して米国に帰ってしまいました。

しばらく基地内の施設に預けられましたが、
従順だった性格は影を潜めてしまいました。

たまたま、この子の元々の性格を知るボランティアさんの手によって施設から出され、
今は静かな環境で暮らしています。

もう攻撃性はなく、私が触診したり床ずれの有無を調べている間も、大人しくしていました。

まだ立ったり歩いたりはできますが、
なにせこの巨体です。
介護も覚悟を決めてやらねばなりませんし、
予防薬や治療薬も大きな額になるでしょう。

ボランティアさんは物心ともに、
この子に多くを捧げねばなりません。

飼い主さんから
「飼えなくなって県に相談したんですけど駄目だったんで。ボランティア紹介してほしいんですけど」

こういうお電話が私のところにも時々かかってきます。
ボランティアさんの所には、もっとかかって来るでしょう。

ボランティアさんというのは、その電話をかけてきた方と同じように、一般人です。

あるボランティアさんはダンスの先生です。
あるボランティアさんはコールセンターに勤めています。
あるボランティアさんは看護師です。
あるボランティアさんは専業主婦ですが、赤ん坊を抱えています。

ボランティアさんから
「現場で診てほしい子がいるんです」
そう言われて、私も出向きます。
時間通りに到着して、ボランティアさんが遅れて来ることもあります。
連絡がつかないこともあります。

当たり前だと思っています。
みんな、ほんらいの生活があるのですから。

飼い主さんも完璧な人間ではありませんから、
事情ができて飼えなくなることはあるかも知れません。
もちろん、それが常に許容されるとは言いません。

しかしその受け皿が特定の人たちに偏り、
善意ある人たちに大きな負担となって覆いかぶさる。
それを許容する社会であってはいけない、
そう思います。

犬も夢を見るそうです。
この子が、家族と幸せに暮らしていた頃の夢を見て、目をさましたとき。
そこに再び信じることの出来る人間がいる、
ということ。
その人がそこに居られるように、社会全体でサポートすること。

これに尽きるのではないかと思います。



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