南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

「昭和への往診」〜続報〜

3ヶ月近く前にご紹介した、立ち退きを迫られていたミニチュアピンシャー系の子。

先日、飼われていた場所から安全な屋内の施設に移動しました。

梅雨、梅雨が明ければ猛暑に台風と、このままではいけないという状況でした。
今回、複数の愛護団体さんと、いくつかの動物病院の連携でレスキューできました。

避妊手術も終わり、風雨にさらされない環境で譲渡を待つ状態です。

関係者の方々、ありがとうございました。

「ブログに出ていた、あの子に」
ということでご寄付もいただきました。
そのぶんで混合ワクチンも接種し、フィラリアの予防薬も数ヶ月先までまかなえました。



動物を飼えなくなった、手放したい、という例は後をたちません。
「もう飼えなくなったので、引き取って下さい」という電話が、私のところにも来ます。

「動物病院は、そういう場所ではないのですよ」とお答えすると
「じゃあどこに電話したらいいんですか!」
と怒り出す方もいらっしゃいます。

愛護団体さんや県の動物愛護管理センターには、こういった電話はもっとかかって来るでしょう。

色々な事情があることは理解できます。
こと私のように実際にお宅まで行ってお話を伺えば、愛護法を持ち出して解決できる例など皆無と言っていいでしょう。

ただ、ご理解いただきたいのは

「引き取りのお世話をする人たちは、当事者以上の努力を強いられる」

ということです。
「好きでやってるんだからいいだろう」
「愛護団体やボランティアを名乗っているのに引き取らないのは無責任だ」
などという、それこそ無責任な主張も耳にします。

命ひとつ助けるのは大変な労力を要します。

愛護団体の方も、ボランティアさんも、多くの方が身を削り、時間を削り、物心ともに注ぎこむ人生を歩んでいます。
一瞬すれ違いざまに重荷を渡して去ることは、本来許されないことです。

ネットやSNSの普及で、レスキューや譲渡は格段に迅速性も効率も良くなっているように感じます。

しかしその裏には、数知れぬ人々の善意と努力が隠れていることを忘れてはいけません。
命にも、それを救おうとする方々にも、敬意は払われるべきです。



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