南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

ヤギ、ガジュマル、手品師?

先週、南城市の小学校でヤギを診ました。

駆虫剤入りのリンゲルを皮下点滴。
ちょうど手頃なガジュマルの木があったので、その下で行いました。

嫌がって逃げ出す元気があればよいのですが、この子は立ち上がるのもやっと。
大人しく点滴を受けています。

ちょうど下校時刻だったので、児童が何人も様子を見に来ました。

「何してるの?」
「点滴よ、点滴」
「だれ?」
「獣医ですよ、ヤギを治してるの」

近くまで来て無言で見つめ、納得したような顔で帰って行く子もいました。

きっと恥ずかしいのだな、そう察した私は気を利かせて、そのつど解説することにしました。

「ヤギというのはね、よくお腹を壊すの。寄生虫という悪いのがいてね、それが胃や腸の中で‥‥」

すると何人めかの子が来て、

「浮いてるのかと思った」

と言いました。


「何が」
「水が入ってるやつが」
「これ?この点滴液?」
「そうそれ」


‥‥‥‥?

‥‥‥‥!

なるほど!




浮いてないよ、ガジュマルのヒゲにゆわえてあるよ!





ガジュマルは沖縄に広く分布する常緑樹。
枝からたくさんのヒゲ(気根)が地面に向かって垂れています。

そこに点滴バッグを結びつけたら、浮いているように見えたのですね。

子供達が不思議そうに近寄って来たのはこれが原因だったか‥‥。

そこからは、子供たちへの説明を変えました。

「これは、いっけん浮いているよう見えるのだが‥‥」

果たして誤解は解けたかどうか。

「きのうガジュマルの木の下で手品師を見た」
そんな噂が流れていなければ良いのですが‥‥。



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