病気のヤギが自作するものは?
このところ、妙にヤギの往診が多くなっています。
もともと沖縄にはヤギをペットとして飼育する方がたくさんいます。
ヤギを動物病院に連れて行くのは大変ですから、往診を頼むケースが増えるのは当然と言えますね。
さて、ヤギももちろん病気になります。
ちょっと面白い研究があるのでご紹介しましょう。
それは、
「ヤギはストレスを受けると、ビタミンCの合成量を増やす」
というものです。
学術誌「Science」上で発表されました。
(「Evolution and the biosynthesis of ascorbic acid.」
著者 Chatterjee IB. 1973年)
補足しておくとヒトや一部の動物を除いて、多くの動物はビタミンCを体内で合成可能です。
ヤギもその能力を備えており、70kgのヤギなら1日で約13000mgのビタミンCを合成してしまいます。
これはレモン約650個分に相当します。
そしてヤギは、ひとたび病気などのストレスを受けると、ビタミンC合成量を数倍に増加させます。
人間なら風邪のとき「ビタミンC、ビタミンC」と呟きながらヨロヨロと薬局に向かうわけですが、ヤギの場合はその必要がないことになります。
ただし、それはあくまでもヤギに余力あってこそ。
もともと栄養状態が悪かったり、合成の場である肝臓に病気があったりするとうまくいきません。
日頃から大事に飼えば、ひとたび体調を崩しても立ち直る力がヤギにはあります。
獣医を呼ぶ必要もなくなるでしょう。
‥‥あれ?
私の仕事が減ってしまいますね‥‥。