「化膿止め」と「抗生剤」
診察が終わり、お薬を処方するとき。
ひとつひとつ、飲ませ方や回数をお伝えします。
「これが抗生剤で、これが消炎剤で‥」
ひととおり説明を終えたとき
「あの‥‥化膿止めは出していただけないでしょうか」
「ん?抗生剤をお出ししていますから、それでよろしいのでは」
「抗生剤だけで大丈夫でしょうか?」
「なるほど!詳しくご説明しましょう」
まず、
「化膿止めと抗生剤は基本的に同じ」
だと思って下さい。
「化膿」というのは、
読んで字のごとく患部に膿が溜まることですね。
その膿というのは、主に
「細菌の死骸・細菌と戦って死んだ白血球の死骸」
からなるものです。
つまり、例外的な場合を除いて
「そこに菌がいるから化膿する」
のであって、
化膿止めはその原因菌をやっつけるためのものです。
そして抗生剤というのはまさに
「菌をやっつけるための薬」
を言うわけですから、
両者はほぼ同じものだということになります。
要は「その薬はどんな作用を持ち、何のために飲ませるのか」さえ把握しておけば、
呼び方は何でもよいように思います。
他にも呼び方が違うけれど実質的に同じ系統なのは
鎮痛剤と痛み止め、
制吐剤と吐き気止め、
解熱剤と熱冷まし、
などがあります。
薬に関しては、
「同じものを指す言葉がある」
ということは覚えておきましょう。