南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

牛から落馬できるか

さて、妙なタイトルです。

 

牛から落馬できるでしょうか。

 

もし牛の背中から落ちても、

それは落牛であって落馬ではありません。

当然、ヤギから落ちてもゾウから落ちても、

落馬ではありません。

 

牛から落馬は出来ない‥‥では、

イタリアに渡米できるでしょうか。

これも無理です。

フランスにも、タイにも渡米はできません。

 

さて、最後です。

 

「猫に犬歯(けんし)はありますか?」

 

どうでしょう。

猫、もっと広げればトラやライオンのような、ネコ科の動物が口を開けて敵を威嚇するとき、キバが見えますね。

あれは確かに立派な歯です。

猫に限らず、多くの動物に犬歯はあります。

 

あれを、犬歯と呼んで良いのでしょうか。

いや、やはり猫の犬歯は

「ネコ歯」と言うべきなのでしょうか。

 

結論から言うと、犬歯でよいのです。

 

犬では特にあのキバの部分が発達しているので、

猫でもヒトでも、前歯の次に並んでいる

キバのような歯は犬歯と呼びます。

 

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「いやいや、トラのキバの方がよっぽど大きいですよ。今度からあれをトラ歯と呼んで、犬にもトラ歯があるという言い方にした方が」

 

理屈はわかりますが、もう定着した名称ですから‥。

それだけ、我々にとって古来から犬が

身近な動物であったという事なのでしょうね。

 

 

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