南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

獣医学と文学 (3) 〜キリマンジャロの雪〜

心温まるニュースがあります。

headlines.yahoo.co.jp

犬らしい、といえば本当に犬らしい行動です。
そしてこのニュースを見たとき、
ふと思い浮かんだ文章があります。

キリマンジャロは雪に覆われた19,710フィート、アフリカで最も高い山と言われている。
西の頂上はマサイ語で「Ngaje Ngai」、神の家という。
その頂上近くに、ヒョウの乾き凍てついた死骸がある。
ヒョウがその標高で何を求めていたのか、誰も説明した者はいない。

~ ヘミングウェイキリマンジャロの雪」 ~

さすが文豪・ヘミングウェイ
文学の香りがプンプンします。
ここから先、駄文が続く気配が全くしません。

そして、この文章に触れると、
私はつい猫のことを考えてしまいます。

猫は、体調が悪化するとしばしば
冷たい所に移動するからです。

風呂場のタイル、ベランダ、そして屋外。
温かい場所に連れて行っても、
また冷たい場所に移動します。

ですから同じネコ科のヒョウが、
「寒い場所に移動して一生を終える」
という事があっても不思議ではありません。
キリマンジャロの山頂、というのはさすがに
やりすぎのような気もしますが‥‥。

ただ、猫が冷たい場所に移動したからと行って、
「ああ、もうこれは助からないんだ」
と早合点してはいけません。

治療によってそこから回復し、
また日向ぼっこするようになった猫も
私はたくさん見てきました。

彼らには薬や獣医療という概念がありません。
「君は、助かる時代に生まれたのだよ」
この考え方は大事だと思います。

相手が病気のことですから、
「100%必ず助かる」
ということは残念ながら言えません。

また逆に、場合によっては過度なケアが
負担になるかも知れません。

しかしまずは希望を捨てず、
獣医師に相談しましょう。


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