南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

「犬はわんわん」で良い?

今日は午後、沖縄こどもの国へ行きました。

 

たくさんの動物がいますね。

 

こども、特に乳幼児は動物が大好きです。

まだことばを覚えていない時期でも、絵本で知ったキリンが目の前に現れると指を差して興奮した声を上げます。

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また、人間はことばを一つ一つ覚えていくわけですが、その過程で

「覚えている言葉のうち、動物に関する言葉が多くを占める時期」

を経験します。

 

「わんわん」

「にゃんにゃん」

ぞうさん

「ぶたさんブウブウ」

などです。

 

乳幼児は動物に対して非常に興味を持ちますので、どんどん覚えていきます。

実際、絵本やひらがなの学習表にも動物がたくさん出てきます。

 

ですから

「言語の獲得」と「動物について知ること」

には密接な関係があることがわかります。

 

このことに関してはたくさん文献も出ていますし、私の専門はあくまでも獣医学ですので、ここでは詳しく触れないことにします。

 

ただ、一つご紹介するならば

乳幼児に動物を教えるとき

「犬はわんわん」

「猫はにゃんにゃん」で良い

という考え方があることです。

 

つまり

「親が赤ちゃんことばを使うと、こどもの発達にどのような影響があるか」

という議論に関して、

「赤ちゃんことばを使った方がよい」

という研究結果がある、ということです。

 

「The role of baby-talk words in early language development」

(早期の言語発達における幼児語の役割)

という論文が、2018年にエディンバラ大学から出ています。

 

要約すると、

「赤ちゃんことばを使ってあげると、乳幼児は早い時期に言葉のボキャブラリーを増やす」

ということです。

 

この論文では

mummyなどの短く単純な言葉、

bye-byeなどの繰り返し言葉

は赤ちゃんの早期言語習得に効果があることが示されています。

 

つまり、乳幼児には

「わんわんが まんまたべてるよ」

「にゃんにゃんが ねんねしてるよ」

という言い方で良いのではないか、

という方向性が示されているように感じます。

 

 英語の論文ですので日本語に適用させるとどうなるのか、という問題はありますが

「最近そのような考えがある」

ということは知っておかねばならないな‥‥と思いましたのでご紹介しました。

 

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