南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

年齢不詳?

「この子は何歳でしょうか」

よく尋ねられます。

普通、自分が飼っている動物の年齢はわかるはずなのですが、

保護犬を引き取ったり野良猫を保護したりすると、それがわかりません。

「う~ん、5歳・・・くらいかな」

「やっぱり!動物愛護管理センターの獣医さんも、それぐらいじゃないかって言ってました!ココア、あなたは5歳なのね!」

「そ、そう!5歳ですよ5歳!」

 

歯のすり減り具合、毛が白くなっている割合、歩き方…、

年齢を推察するのにはヒントがないわけではありません。

しかし、身体的特徴は

「その子がどのような環境で暮らしていたか」

によって大きく左右されます。

 

町の目撃者の証言によって明らかに3歳だという野良猫でも、

いざ保護してメディカルチェックすると10歳くらいに感じることがあります。

過酷な環境は、確実に老化を加速させます。

 

また外猫や、ほぼネグレクト状態で外飼いされていた犬は皮膚が分厚くなります。

皮下注射の時、針先の抵抗感が強いと

(風雨に耐えてきたんだな…)

と感じます。

 

何歳かわからない子を引き取るのは、大変勇気のいることです。

すぐに看護がはじまるかも知れません。

わずかな期間ののちに別れが来るかも知れません。

 

ただ、動物は

「自分に残された日々」

を数えるような生き方に興味が無いようにも見えます。

彼らは毎日迎える毎日を、一日ずつ楽しんでいるように見えます。

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明日もまた、譲渡会に出る予定の子を見に行きます。

少しでも譲渡がスムーズにいくように。

そのお手伝いができればと思っています。

 

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