何のために働くのか?
今日で今年も終わりですね。
この機会に、日ごろあまり書く機会のないことを書いてみようと思います。
「何のために働くのか」
ということについてです。
この質問、学校の職業講話でよく受けます。
もちろん、正解はないでしょう。
どの人も自分なりの仕事観というものをお持ちのはずです。
あくまでも個人的な見解で、ということなら私はこう言います。
私は、
「自分の存在意義を100%肯定するために」働いています。
誰も訪れるはずのなかった場所。
救われるはずのなかった命。
たとえオンボロの往診車でも、そこに駆けつけ立ちはだかることができれば。
その動物の運命と、それを取り巻く人たちの運命を変えることが出来るなら。
人生を掛ける価値はあると思っています。
しかし同時に、私は
「自分の存在意義を100%否定するために」働いています。
最初に言ったことと矛盾しているようですが、そうではありません。
今現在、私を必要とする方がいるのは、言ってしまえば動物を取り巻く環境に問題があるからです。
それに、究極的な事を言ってしまえば、病気というものがこの世から無くなれば、そのとき私の存在意義はありません。
ですから病気を無くそうとする努力は、自らの存在意義を抹消する行為に他なりません。
「もうあんたがいなくても、苦しんでいる動物なんてのはいないの」
その状況を作るために、私は獣医師として働きたいと思っています。
また来年も今年のような日々を送り、その日々はそのまま再来年と同じかも知れません。
しかし、色々なことが少しずつ前に進んでいる実感はあります。
いつか電話が鳴らなくなる日が来ると信じながら、除夜の鐘を聞くとしましょう。
皆さま、よいお年を‥。