集会所の子ねこ - 南の往診獣医さんのブログ

愛護団体の方に案内していただいて、
ある集合住宅の集会所に行ってきました。
子猫が保護されています。

集会所の板の間で、
仲良く宿題をしている小学生が三人。
この子猫の兄弟がどうなったのか、
母親がどこへ行ったのか、
色々と教えてくれます。

この集合住宅は周りにも集合住宅が多く連なり、
野良猫も多く住み着いています。

このような場合、
捕獲器を仕掛けても猫はなかなか捕まりません。

「〇月〇日に捕獲器で猫を保護して不妊化する予定ですので、前日・当日は野良猫にエサを与えないで下さい」

という掲示を集合住宅内に張り出しても、
通行人や近所の方のエサやりは止められないからです。

この子の母親もなかなか捕まらず、
何度も出産を繰り返しています。
しかし生まれてきた子たちは、どのような運命をたどったのか。

それを教えてくれる小学生たち。
そして、一匹だけ残ったこの子猫。

その場で健康診断をして、愛護団体の方に引き渡します。
今日まで保護してくれた子供たち。

殺さないで、

と言われました。
随分と久しぶりに、「指切りげんまん」をしました。

笑顔を背に、次の往診先に向かいます。
しかし忘れてはいけません。

ボランティアさんや愛護団体の方がこれから、
この命を救うためにどれだけの苦労をなさるのか。

これは動物愛護の問題であり、
環境衛生の問題であり、
教育の問題であり、
そして社会全体の問題なのです。

「ばいばい」