南の往診獣医さんのブログ

往診獣医が獣医師ならではの視点で動物のこと、社会の出来事、その他の話題についてオリジナルイラスト付きで書いています。

生食の考え方、カエル?

今日はちょっとニュースを取り上げてみます。
卑弥呼の時代に日本人はカエルを食べていたかも知れない」
ということです。

これは特に驚くことではありません。
カエルの骨はもっと古い時代から、例えば京都の上里遺跡など縄文期の遺構からも出土しています。
それに東南アジア一帯では、カエルは今も食料です。

また、日本書紀にもカエルを食べていたことを示す一説が残されています。

国巣(くず)と呼ばれる大和国吉野郡周辺の住民について
「その人となり,甚だ淳朴なり,毎 (つね) に山の菓を取りて食う,また蝦蟆 (かえる) を煮て上味とす,名づけて毛瀰 (もみ) という」
という記述があります。
ちゃんと煮て食べていますね。

その後なぜ日本人がカエルを食べなくなったかは謎ですが、
これはやはり寄生虫の問題があると思います。
加熱調理するにしても、調理場や調理器具に汚染のリスクは伴うわけですから。

以前このブログでも「マンソン裂頭条虫」について述べました。

要するに、カエルやヘビを生で食べてはいけません。

しかしこのところ、
いわゆる「YouTuber」と呼ばれる人たちが
かなり過激な動画を投稿しています。
その中には
「〜を生で食べてみた」
というようなものも散見されます。

注意喚起のため、マンソン裂頭条虫にヒトが感染した症例を紹介しておきます。

山梨県在住,47歳,男,農業
・平成8年6月4日、捕獲したシマヘビを友人2人と刺身で食べた
・数日後に発熱(39℃)、全身倦怠感
・6月14日に右臍部に2cm程の発疹
・指先で押すと中から10~15cmの白色虫体が出現
・6月25日には便に白色きしめん状の虫体
・7月8日に女子医大に転院。便からマンソン裂頭条虫卵を検出。
(抜粋:国立感染症研究所感染症情報センター)

この方は結局、入院して治療を受け助かりました。
しかしひと月以上にわたって発熱と倦怠感に悩まされたわけですから、自分の行いをかなり後悔されたことでしょう。

・カエル、ヘビなどを生食しない
・汚染された可能性のある水は飲まない

今日はカエルのニュースを見て気になったのでまとめてみました。




究極の鉄 フライパン リバーライト 極 JAPAN 炒め鍋 28cm 当店オリジナル ガス火・IH対応【名入れ可能】 zk