脱・未知との遭遇 〜もらわれ先でパニックにならないために〜
誰だって、初めて見るものには戸惑うものです。
【初めて往診カバンを見た猫の例】
そういえば昔、階段を下りられない犬がいました。
もっと正確に言えば、「段差」を下りられないのです。
この子は子犬の頃から部屋を出た事がなく、散歩にも行った事がないという境遇の犬でした。
この子に限らず、動物は幼少期や成長期を構造的に単純な環境で過ごした場合、それ以外の環境に適応できにくくなる傾向があります。
ですからもし動物、特に子犬や子猫を一時的に預かるような機会があったら。
色々な道具や家具、電化製品を見せることをオススメします。
急に見せたら怖がりますから、徐々にで構いません。
「これは洗濯機といって、ガタゴトはするが倒れてきたりはしないよ」
「掃除機はガーガー言うだけで、咬みついたりはしないの」
「これは折りたたみベッドといってね、ときどき形が変わるけど、ただそれだけのこと」
このように慣らしておけば、新たな家庭にもらわれて行ってそこで初めて見た薄型テレビに
「板の中に街が現れた!人が出た!大きな音がした!」
と驚いたり怖がったりして帰ってきてしまう、ということを防ぐことができます。
もちろん、熱い鍋やドアの開閉など、「危険なもの」の存在を教えておくことも大事です。
どこの家庭にもらわれていっても怖い思いをしないよう、少しずつ現代文明に慣らしていってあげると良いでしょう。